個人投資家がAIと戦うなら
本稿では、個人投資家がAI(人工知能)を活用して投資戦略を立てる方法や、AIに対抗するための戦略について考察します。AIの進化により、投資の世界は急速に変化していますが、個人投資家も適切な知識とツールを持つことで、競争力を維持することが可能です。
AIの影響と個人投資家の立場
AIはデータ分析や予測モデルの構築において非常に強力なツールです。機関投資家やヘッジファンドは、AIを駆使して市場の動向を予測し、迅速に取引HFT(高速高頻度取引)を行っています。このような状況下では、投資家が狙っていた値段に先回りされて、投資家が約定できないケースが発生します。
国内ではメガバンクや大手証券会社がこのシステムで市場に入ると、一度始まった売買が連続で動き続け、実質上、個人の少額投資家ははじき出されます。また値動きは、実質の株価の価値を反映したものではなく、(AI)システムが攻めやすい部分だけ加熱する傾向があります。
こういった一昔前とは形相の違う市場で、個人投資家はどのように立ち向かうことができるのでしょうか。
1. データの活用
個人投資家もAIが利用するデータを活用することが重要です。AIにはAIをまとって(AI+自分)戦うのが賢明です。例えば、オープンデータやフィナンシャルデータを収集し、独自の分析を行うことで、AIに負けない情報を得ることができます。データ分析ツールやプラットフォームを利用することで、より深い洞察を得ることが可能です。
2. AIツールの利用
最近では、個人投資家向けに設計されたAIツールも増えてきています。これらのツールを利用することで、投資判断をサポートしたり、リスク管理を行ったりすることができます。AIの力を借りることで、より効率的な投資が可能になります。
3. 中長期の投資に切り替える
HFT(高速高頻度取引)は強力ですが個人投資家レベルではそのシステムを維持できません。HFT(高速高頻度取引)を活用してくる機関投資家に対抗するには、彼らがいない場所で戦うしかありません。HFTはミリ秒の時間軸でトレードするのだから、少し前の大塚家具や日産株のように、値動きの幅が大きければ大きいほど有効に機能します。
スキャンダルを起こした企業銘柄は値動きが激しく、HFTがもっとも好むエリアになります。逆にいえば低リスクでローリターンな値動きの小さい投資先に、HFT は興味を示しません。具体的には「ETF」(上場投資信託)や、「原油ブル」(NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN)などです。
4. 投資戦略の多様化
AIは市場のトレンドを迅速に捉えることができますが、個人投資家は長期的な視点を持つことで、AIに対抗することができます。バリュー投資や配当再投資など、時間をかけて利益を上げる戦略を採用することで、AIの短期的な動きに惑わされることなく、安定したリターンを目指すことができます。
5. コミュニティの活用
個人投資家同士のネットワークを活用することも有効です。情報交換や意見交換を通じて、AIに対抗するための新たな視点やアイデアを得ることができます。オンラインフォーラムやSNSを利用して、同じ志を持つ投資家とつながることが重要です。
6.[補足]厳しい現実
ここまで読んでいただいて水を差すようですが、お金を儲けるためにはお金が必要なのかと思う人は多いでしょう。それは正解です。お金を儲けたければ、お金がある場所にいる必要があります。たとえばランボルギーニ・カウンタックにはオーナーズクラブがあり、そこにはカウンタックを購入するような富裕層が集まっています。その集まりには一般人が知りえない情報が流れていることが普通にあり、よい投資に繋がるというのがいい例です。こうした裕福層に近づくための蓄え・投資こそが最も有効な自己投資かもしれないという現実です。あくまで、逆説的な話ですが、余裕のある時こそ考えておいてください。
結論
AIの進化は投資の世界に大きな影響を与えていますが、個人投資家も適切な戦略を持つことで、十分に対抗することができます。データの活用、AIツールの利用、投資戦略の多様化、コミュニティの活用を通じて、個人投資家はAIと共存し、成功を収めることができるでしょう。